2011年11月26日土曜日

出張レポート【とも】山形・鶴岡市&銀座・ラベットラ




こんばんわに!ともです。
イトウチャーノに引き続き、出張レポです。
今回は料理という枠組みから少しズームアウトして、報告したいと思います。
※いつもより少し真面目な感じですが、おつきあい頂けると幸いです^^


■今回の出張の目的:
1)地方(田舎。都会からの交通手段が乏しい場所)のレストランに
人を呼ぶには何が必要か。を自分なりに見つけること。
2)客目線になり、満足や感動の引き金は何か、感じること。

■結果1:鶴岡市とアルケッチャーノについて
(鶴岡市、またアルケッチャーノに関して人を引きつける理由について
鶴岡市役所のお話、政策推進課のお話、山形大学教授のお話、
レストラン訪問で感じたことから、以下の4点と考えました)
1)奥田シェフの牽引力(スペイン出張中でお会いする事は叶いませんでしたが・・)
→民間から地域に影響を及ぼす人物の存在
例:プロモーション力(受賞歴、メディア露出など)、販路の開拓、鶴岡市の飲食店の競争力を高めレベルアップに…市役所職員談

2)鶴岡市としての取り組み
ユネスコの創造都市ネットワーク(英語ページへリンク)へ「食文化」部門での登録を目指しており、そのための政策を産学官、農工商官連携で進める。
例:【鶴岡食文化映画祭の開催】食文化をテーマとした映画や食を通じて命の大切さを学ぶ作品を上映。14店舗のレストランと定型詩、映画にゆかりの料理を創作し地域の食文化を楽しく味わうイベント。約2週間。

【鶴岡食文化アーカイブプロジェクト】地域に継承される在来作物を「生きている文化財」と位置づけ、その普及と庄内の食文化の価値を見つめ直すことを目的とする。…イトウちゃんがレポートしてくれた料理講習会はこのプロジェクトの一環。在来作物のレシピ集「はたけの味」を発行し、それをテキストとして地元の農家レストラン「知憩軒」のお母さん&娘さんが講師となる。

など、ほかにも様々なプロジェクトを随時進行中。

3)レストラン自体のコンセプト
→最初から最後まで、地域に根ざしたものを大事にする印象が端々から感じられた。
例:【スタッフ実家の米】牡蠣と甘鯛のリゾットの説明の際「…わざとウロコを残す調理法となっており、またこちらのお米はスタッフの実家でとれた新米になります」と。実家アピールは斬新!と驚きましたが、それだけうちの実家の米はうまいんじゃい!と自信を持ってるんだなあ、愛だなあと感心していました。

【入り口付近のディスプレイ】

←こちら。素敵だなぁ〜〜〜!!と思ったもの。

庄内の大きい地図(外国の古い地図風にデザイン)に
関係している生産者さんたちの写真とコメントが
書いてある!!!

あなたたちのおかげで、
おいしいご飯がいただけます!ありがとう!

といった感謝の気持ちがあふれてる。すごい。




【名前】
店内のメニュー表。

地元のもの、使ってますよ〜〜!
のアピールがいっぱい。

朝日村の栗とか庄内浜の魚介と〜とか
言われたら、そこがどこかピンとこなくても
勝手に収穫の時をイメージして、
なにか親近感をわかせてしまう。ふしぎ。
ちなみに、アル・ケッチャーノは
イタリア語ではなくて、

「あるけっちゃーの」
(そこにある)
という意味の山形弁らしい。笑

すてきなユーモアです。






4)市民レベルでの取り組み
→2)の一環でもあるのですが、【鶴岡食文化女性リポーター】といって
新たな集客方法、情報発信を展開するため、在来作物の畑やレストランなどで交流をし、食と農の物語をPRするリポーター集団。facebookにアカウントがあります


■まとめ1:鶴岡市とアルケッチャーノについて

レストランだけが、行政だけが、など「点」で面白い事を仕掛けるのではなく
飲食店、街、市民が面となって、同時多発的に、同じ目標
(鶴岡市では在来作物の継承とユネスコ創造都市ネットワークへの登録)に向かって
多様な挑戦をすることが、その地域への来訪にプラスの相乗効果を生む、と感じました。

つまり、顧客の期待値の分散も可能になる。
レストランのレベルをあげたり、質を保つことはもちろんだけれども、
トータルで「きてよかった」と思える体験ができる環境を整えることも
同時に、かなり大事なのでは。

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ふう。

深呼吸。。。

つぎいきます!


■結果2:銀座 ラベットラ&落合シェフについて
無条件というか、心から動かされたことに考察づけるのは難しいですが
形式的に、分析調でそろえてみます。以下、感動の引き金要因まとめ。

1)シェフの人柄
スケジュール帳はいつも真っ黒、前日まで出張つづき、、と超ご多忙にも関わらず
幸運にも!本当に幸運に!シェフと直接お話できる機会があり、
料理修行中の旨をお伝えすると、激励のお言葉を頂きました。

“料理はうまくて当たり前。プロだからね。
でも、いつも同じ味にする事は料理人の命題。お客さんに「今日も変わらずおいしいね」って言われるのが最高の褒め言葉”

と。

がつん!と胸にひびきました。
シェフ、お忙しい中ありがとうございました!まず、料理人として当たり前の「うまいメシ」を提供できるように、研鑽して参ります!味蔵で、笑顔になっていただけるように、がんばります。

2)料理
ベットラの料理には終始感動しっぱなしでした。。
なぜ感動したのか、その内訳を落ち着いてから考えました。
【A: 迷ったから】
夜のコース料理で1前菜、2パスタ、3メイン を選ぶのですがその選択肢の豊富なこと!料理名からイメージするだけで、もうわくわく。期待値がどんどんあがっていきます。落合シェフの書籍を拝読していたため、どれもストーリーがあるメニューとして、絞り込むのが困難でした。(6名でいったため、違うものを頼んだりしました)

【B: 驚いたから】
メニューを選んだだけで、相当の期待をしていたのは言うまでもありません。
ただ、前菜が運ばれてきて「!!」 驚いたのはそのボリューム!量が期待を上回り
驚きにつながりました。

【C: 笑顔になっていたから】
とにかく、おいしい、おいしい、とばかりいっていました。
まわりも終始、笑顔笑顔。おいしい料理を食べたとき、人間自然と笑みがこぼれるって
ふしぎ。イトウチャーノの至極幸せそうな顔をとり忘れていましたが、アップしたかったです。

【D: 記憶に残ったから】
ひとつずつ前菜、パスタ、メインを自ら選ぶ仕組みであること、
一度に選ぶ数は「3つ」までであること、などが「私はどんなお皿を注文した」と
記憶に残りやすいのではないか、、と感じました。



はい。みなさまおまちかね。
料理写真、一挙公開です。空腹時にみるのは危険です

注)私が頼んだもの以外も入っています。私がオーダーしたものは(と)とつけます。

【前菜】たことセロリのサラダ(と)
イタリア食堂「ラ・ベットラ」のシークレットレシピ」を読んでから、絶対食べてみたかった!!!!
固くならないように沸騰させずにぐらぐら湯だてるたこ。
どんな歯ごたえなんだろう。どんな食感なんだろう。。。。

ごくっ。。

ぱくっ。。



キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!




はい。取り乱して失礼しました。
自粛し、次へ参ります。



 【前菜】アボガドとマグロのサラダ
【前菜】いわしのサラダ










 【パスタ】トマトとバジルのパスタ(と)
 【前菜+α】トマトとバジルのサラダ

写真なし(がーん!)【メイン】牛ほほ肉の赤ワイン煮込み(と)
お肉の柔らかさといったら!
ほぐれぐあいの虜になりました。
なんといってもソースが、、、野菜がとけ込んでいるはずなのですが煮込み、煮込まれて跡形もなく、濃厚な野菜の甘み、うまみが口中に広がります。 もう幸せでした。



【メイン】子羊の・・・すみません。追って名前確認します。








【ドルチェ】ティラミス!!!

【ドルチェ】モンブラン!!(と)

みてください。「え?モンブランて、うねうねしてなくていいの?」

いいんです!

マスカルポーネ?に、淡雪のような食感の栗クリーム。
なんと下層には
お米!!!!あまく、ミルクで炊いたのでしょうか。。

しっとり、ほわっ、プチ。食感も、甘さも。大好き。

こちらはベットラパスタに触発され、
早速挑戦したパルミジャーノ・ポモドーロ。

ううう。写真の処理で発色はいいですが、
実際オリーブオイルが足りず、
なんだかぱさっとした残念な結果に。。。

精進。精進。。。


3)サービス
基本的に「いらっしゃいませ!」の声がはきはきしていて気持ちよかった。
働いている人もとても活気があって生き生きしていた。
(後で知ったのですが、HPでスタッフ紹介が充実している!みなさん目標を持って働いている姿勢が伝わってくる!)
お店自体の雰囲気もフランク&カジュアルで料理に集中できた。



■まとめ2

もう、ズドカーン!って大きな大砲でうたれたような感動を引き起こすのは
人間的に成長することと、スタッフの目標を実現できる環境にすることと
とにかく「うまいメシ」が作れるようにならないと、、舞台にたてない。から
修行に出たり、本読んだり、経験つまなくちゃ、です。
(あああぁぁ。。最後ふわっとしてしまった。。。)


長々と、報告しました。
ここまで読んで下さった方、パンナコッタをサービスしたい気持ちです。

最後、苦悩な感じですみません。
暗中模索ではありますが、「耕すシェフ」の研修制度自体を
主体的に作り上げていく気持ちで引き続き取り組んでいきたいと思います。

出張、視察という素晴らしい機会を与えてくださった方々に
心から感謝申し上げます。


とも@外は霜がおりそうなマイナス2度。






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